1社目で最初の画面が出てきたとき、思ったより整っていると感じました。それが2社目でも、3社目でも、ほとんど同じ画面だったときに考えが変わりました。
業種も規模も違う3社です。それなのに、レイアウトの骨格が動きませんでした。
小規模企業3社のホームページを、AIを使って作り直した記録です。仕事として引き受けたもので、練習ではありません。かかった期間は1社あたり約3日でした。私はシステム開発の技術者ではなく、HTMLもCSSも書けません。それでも公開できる状態までは進められました。
ただ、3日のうち大半はデザインの調整に消えています。以下は、そこで何が起きたかの記録です。
3社とも同じようなデザインが出てきた
私が3社で見た範囲では、最初に生成された画面は次のような構成でした。
- 画面の上部に大きな見出しと短い一文
- その下に角の丸いカードが3つ横並び
- 背景に紫から青へ変化するグラデーション
- 見出しの先頭に絵文字
3社とも、ほぼこの形です。1社目のときは完成度に驚いたのですが、同じものが続くと話が変わります。このまま納品すると、依頼してくれた会社のサイトが、見覚えのある形の1つになってしまいます。
そこから調整に入りました。ここが長引きました。
「かっこよくして」という指示ではデザインが変わらなかった
最初に試したのは「もっとかっこよくしてほしい」と伝えることでした。
出てきたのは、角の丸いカードが影付きのカードに変わり、色が紫系から緑系に変わったものでした。並び方や画面全体の組み立ては、ほとんど動いていません。
「今風に」と伝えたら文字量が減った
次に「今風にしてほしい」と伝えました。今度は余白が大きく広がり、画面あたりの文字量が減りました。下へスクロールしても、書いてある情報が少ないページになっています。
このあたりで、指示の言葉が抽象的すぎることに思い当たりました。「かっこいい」も「今風」も、指しているものが人によって違います。何を指すか決まっていない言葉を渡していたので、こちらが想像していたものと違う結果が返ってきていた、ということです。
1社目と2社目は、この状態のまま調整の往復を続けました。1回直すと少し良くなりますが、次の回で別の箇所が変わってしまう。戻したり進めたりを繰り返して、そこで時間を使っています。
3社目からAIへの指示を変えた
3社目で、伝え方を変えました。良し悪しを後から言うのではなく、使ってほしくないものを先に、具体的に書いて渡す方法です。
実際に指定したのは、この5つ
3社目で最初に渡したのは、次の条件でした。
- 紫から青へ変化するグラデーションは使わない
- 角の丸いカードを3つ横に並べない
- 見出しの先頭に絵文字を付けない
- 必要以上に余白を広くしない
- 文字を細くしすぎない
抽象的な形容詞を並べるより、この形のほうが早く進みました。1社目と2社目で長引いた往復が、3社目では明らかに減っています。
もし今から同じ作業をする人がいたら、私はまずこの「使わない一覧」を作ることを勧めます。理想の形を言葉にするより、避けたい形を挙げるほうが、たいていの人にとって簡単だからです。
ただし、禁止だけでは会社らしさは出ない
これで全部が解決したわけではありません。
条件はすべて守られているのに、特徴のない画面が出てくる、という状態になりました。避けたいものを外しただけでは、その会社らしい形にはならないからです。そこから先は、どういう見え方にしたいのかを、こちらが持っている必要がありました。
結局この部分は、私が判断しています。
AIが書いた文章も、そのままでは使わなかった
デザインと並んで手を入れたのが、文章です。
会社紹介の下書きは、日本語としては問題なく仕上がってきました。一見そのまま使えそうにも見えます。ただ読み返すと、「お客様に寄り添う」「確かな技術力」「地域に根ざした」といった、他の会社でも使える表現が多く並んでいました。
3社とも、文章はかなり書き直しています。
企業理念は自分で考えた
今回の3社では、企業理念だけは私が自分で書きました。
理念はその会社が何を大事にしているかという話なので、他社と同じ言葉になってしまうと意味がなくなると考えたためです。これは今回そうしたという話で、必ずそうしなければならない、という意味ではありません。
理念以外の部分は、出てきたものを確認しながら進めることができました。
AIホームページ制作で良かった点と、難しかった点
3社を終えた時点で、良かったと感じているのは次の点です。
HTMLやCSSを自分で書く必要がありませんでした。技術者ではない私が、制作の作業そのものを進められています。出てきたものを見ながら修正を伝えられるので、完成形を先に固めなくても進行できました。結果として、1社あたり3日ほどで公開できる状態まで到達しています。
難しかった点もはっきりしています。
デザインの調整に時間がかかりました。抽象的な指示では意図が伝わらず、往復が増えました。1か所を直すと別の箇所が変わってしまうことがあり、進んでいるのか戻っているのか分かりにくい場面もありました。文章は一般的な表現になりやすく、書き直しが必要でした。そして、その会社らしさをどう出すかは、最後まで私の側の仕事として残りました。
次に頼まれたら、こうする
3社を通して、着手前に決めておけば時間を減らせたと思うことが3つあります。
1つ目は、使ってほしくないデザインを先に書き出しておくことです。良し悪しの判断は後で構いません。
2つ目は、理念やその会社にしか言えない部分を、自分で書くと決めておくことです。ここを預けると、書き直しの往復が増えます。
3つ目は、デザインの調整に時間がかかる前提で日程を組むことです。私の場合、3日のうち大半がそこでした。内容さえ決まれば作れる、という見込みで組むと、日程が足りなくなります。
AIだけでホームページ制作を完結できるのか
今回の3社に限って言えば、完結はしませんでした。
手を動かす作業は速くなりました。一方で、何を載せるか、どう見せたいか、出てきたものが良いかどうかを決める部分は、速くなっていません。ここは今も自分でやっています。
作業が減ったというより、自分がやる仕事の中身が、書く作業から決める作業に移った、というのが実感に近いです。
作ったホームページを実際に公開するまでの手順は、AIで作ったホームページの公開手順 レンタルサーバーの選び方にまとめています。
