AIに2部構成で指示したら前半しか実行されなかった話

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この記事の要点

  • 2つの作業をまとめて指示したのに、実行されたのは前半だけだった
  • AIは与えられた内容を正しく実行し、正直に報告していた
  • どの指示が渡ったかを確かめる手段が、頼んだ側に無かった
何が起きたか
起きた日2026年8月
やらせたこと報告の書き方の是正と、書類の改定の2件
結果前半だけが実行され、後半が丸ごと行われなかった
原因同じ名前で内容の違う指示が2つ存在し、どちらが渡ったかを確認できなかった
対策指示に合言葉を入れ、報告の1行目で復唱させることにした

私は2つの作業をまとめて指示しました。前半が報告の書き方の是正、後半が書類の改定です。

返ってきた報告には「すべて完了しました」とありました。確認すべき項目も、指定した数だけそろっています。

ところが、後半は1文字も行われていませんでした。

報告を読んでも気づけなかった

最初は気づきませんでした。報告には完了と書かれ、確認項目も埋まっています。

気づいたのは、報告の中の1行でした。書類の状態について「変更していません」と書かれていたのです。後半の作業は、まさにその書類を変更するものでした。

つまり、AIは自分が何をして何をしていないかを、正直に書いていたわけです。私が読み落としていただけです。

確認項目の数が合っていた

紛らわしかったのは、確認項目の数が合っていたことです。

私が指示した確認項目は11件でした。ところが返ってきた報告には7件しかありません。それでも報告には「すべて確かめました」と書かれていました。

これは嘘ではありませんでした。AIが受け取った指示の確認項目が、7件だったのです。

何が起きていたか

原因は単純でした。同じ名前で、内容の違う指示が2つ存在していたのです。

私は前半だけの指示を先に作り、その後に後半を足した版を作りました。名前は同じままです。そして実際に渡されたのは、前半だけの古い版でした。

AIは受け取った指示を正しく実行し、正直に報告していました。問題は、どちらの版が渡ったのかを、頼んだ側が確かめられなかったことです。

報告に名前は書かれていた

報告には指示の名前が書かれていました。ただ、同じ名前の版が2つあるので、名前だけでは区別がつきません。

名前が一致していても、中身が一致しているとは限らない。この当たり前のことに、報告を読み終わるまで気づけませんでした。

対策として合言葉を入れた

やり方を変えました。指示のたびに合言葉を1つ決めて、その指示の中に書き込むようにしたのです。

そして報告の1行目に、その合言葉を復唱させます。番号を1つずつ進めるので、同じ合言葉が2度出ることはありません。

  • 指示の冒頭に合言葉を書く
  • 報告の1行目に同じ合言葉を書かせる
  • 合言葉が無い報告は受け取らない

これで、どの版が渡ったのかが1行目で分かります。実際に、後日また版を差し替えた回がありましたが、そのときは合言葉が違うことですぐ判別できました。

確認項目の件数も数えさせた

もう1つ足したのが、確認項目の数を報告の前に自分で数えさせることです。

指示に11件書いてあるなら、報告に11件そろっているかを数える。そろっていなければ、その時点で何かがおかしいと分かります。

この2つを入れてから、指示の取り違えは起きていません。

AIが正しくても、確認できなければ意味がない

この件で分かったのは、AIの側が正しく振る舞っていても、それだけでは足りないということです。

今回、AIは指示どおりに実行し、していないことは していないと書き、確認項目もそろえて報告していました。AIの側に落ち度はありません。

それでも作業は半分しか進んでいませんでした。頼んだ側が、何が渡ったのかを確かめる手段を持っていなかったからです。

AIに任せるときの失敗は、AIが間違えることだけではありません。AIが正しくても、こちらが確かめられなければ、結果は同じです。

確かめる手段そのものが壊れていた別の話は、AIが機能は存在しないと答えた 実際には存在していた にも書いています。

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更新履歴

  • 2026-08-24 公開
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