AIへの指示書に必ず書いている5つの項目 実物の型を公開します

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この記事の要点

  • AIへの指示書に必ず書いている5つの項目と、その理由
  • 項目が足りなかったせいで起きた失敗を、それぞれに添えた
  • 指示書は最初から5項目ではなく、失敗のたびに増えた

いま私がAIに作業を頼むとき、指示書には必ず5つの項目を書いています。

最初からこの形だったわけではありません。5項目は、失敗するたびに1つずつ増えました。どの項目も、それが無かったせいで何かが起きています。

順に書きます。

1 背景と目的

いちばん上に、なぜこの作業をするのかを書きます。何が起きて、何を解決したいのか。作業の内容そのものではありません。

これを書くようになったのは、指示どおりに実行すると壊れる場面があったからです。

私が書いた指示に誤りがあり、そのまま実行すると書類の表が壊れる状態でした。このとき、AIは指示の文面ではなく、その指示が何を実現しようとしているのかを読み取って、壊さない形で実行しました。そして変えた事実と理由を報告してきました。

目的が書かれていなければ、この判断はできません。文面だけを渡すと、文面どおりに壊すか、止まるかのどちらかになります。

書き方

背景には、次を書いています。

  • 前回までに何が起きたか
  • なぜそれを直す必要があるのか
  • 今回の作業がその中のどこにあたるか

2 番号を振った作業内容

やることを、番号を振って並べます。文章でまとめて書きません。

番号にしている理由は、数えられるようにするためです。10項目あるなら、報告に10件そろっているかを数えられます。

番号が無かったころに起きたこと

作業を2つに分けて頼んだのに、前半しか実行されなかったことがあります。しかも報告には「すべて完了しました」と書かれていました。

このとき、AIは受け取った指示を正しく実行し、正直に報告していました。ただ、私が渡したつもりの指示と、実際に渡った指示が違っていたのです。

詳しくは AIに2部構成で指示したら前半しか実行されなかった話 に書きました。

番号を振り、報告の前に件数を数えさせることで、この形の食い違いは減りました。そろっていなければ、その時点で何かがおかしいと分かります。

3 絶対に守ること

やってはいけないことを並べます。やることではなく、やらないことです。

この項目がいちばん長くなります。私の指示書では20項目前後あります。

主なもの

  • 指定した箇所以外に手を触れない
  • 消す前、上書きする前に必ず控えを取る
  • 変更前として示した文字列が見つからない場合は、作業を止めて報告する
  • 実行すると壊れる指示があった場合は、壊さない側に倒したうえで報告する
  • 60分を超えたら、その時点の結果を記録して報告を出す

3つ目が効きます。探して見つからなかったとき、似た箇所を推測で書き換えられるのがいちばん怖いためです。

増えたきっかけ

この項目は、事故のたびに増えました。

外部から取ってきたものを本番に入れようとして止まったことがあり、そこから「取得元を自分で選ばない」が入りました。表示の設定を勝手に変えられたことがあり、そこから「共通の設定に触らない」が入りました。

禁止は、起きてから足すものです。先回りして全部書くことはできません。

4 報告の前に確かめること

作業が終わった後、報告を出す前に確かめてほしいことを並べます。これも番号を振ります。

ここに書くのは「証拠の出し方」

確かめる内容だけでなく、どう確かめたかを示させるのが要点です。

  • 手元とサーバーのファイルが同じであることを、内容の指紋で示す
  • 実際に画面を開いて、崩れが無いことを確かめる
  • 0件という結果を出す場合は、同じ範囲で必ず見つかるものが何件出るかも示す

3つ目は、点検の命令そのものが動いていなかった事故から入れました。0件は、無いから0件なのか、探せていないから0件なのかを区別できません。詳しくは AIに点検させたら異常なしと出た 点検自体が動いていなかった話 にあります。

「規程どおりに書きました」は証拠にならない

もう1つ入れているのが、書いたものではなく、出てきたものを測るという決まりです。

指定どおりに書いたのに、実際の画面では違うものが表示されていたことがあります。上位の設定が優先されていたためです。書いた内容を読んで確かめても、この食い違いは見つかりません。

5 途中でやめないこと

最後に1行、必ず書いています。中断しない、見送らない、後回しにしない、最後まで自動で完了させる、という趣旨の文です。

これが無いと、途中で止まって判断を仰いでくることがあります。判断を仰ぐこと自体は正しいのですが、止める場所を選ばないと、実物と書類が食い違ったまま残ります。

ただし、止めてほしい場面もある

矛盾するようですが、止めてほしい場面もあります。書類が外から見えてしまった、消してはいけないものを消しそうになった、といった場合です。

そこで、止める条件を「絶対に守ること」の側に具体的に書いています。「判断に迷ったら止める」ではなく、「これが起きたら止める」という形です。

条件を書いておけば、それ以外は止めずに進みます。

5項目を書くのに、どれくらいかかるか

正直に書くと、指示書1つで20分から30分かかります。作業そのものより長いこともあります。

ただ、これを書かなかったときの往復を考えると、結果としては短いと感じています。指示が曖昧だと、出てきたものを見て、違うところを伝えて、また出てくるのを待つ、という繰り返しになります。

私の場合、この往復でいちばん時間を使ったのは、ホームページのデザインを直させたときでした。抽象的な言葉で伝えていたためです。その記録は AIホームページ作成の実例 HTMLを書けない私が企業3社を制作 に書いています。

指示書は、失敗の記録でもある

いま使っている5項目は、どれも失敗から生まれました。

背景を書くのは、指示が間違っていたときに気づいてもらうためです。番号を振るのは、抜けを数えるためです。禁止を並べるのは、実際に壊した経験があるからです。確かめ方を指定するのは、確かめたつもりで確かめていなかったからです。

新しく作業を頼む人が、この5項目を最初から書く必要はないと思います。自分が何で困ったかによって、書くべきことは変わるためです。

ただ、1つだけ最初から書いておくとよいと思うのは、目的です。何をしたいのかが書いてあれば、指示の文面が間違っていても、相手が気づける余地が残ります。

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更新履歴

  • 2026-08-24 公開
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