点検を全部通ったのに、記事の中身が間違っていた

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記事を公開する前に、いくつも点検をかけています。文字数、見た目、色、記号の混入。どれも道具で自動的に確かめます。

その全部を通った記事に、事実と違うことが書いてありました。

空港の検査を通り抜けた

今回は空港の手荷物検査のたとえで通します。

荷物を機械に通します。金属が入っていないか、危ないものがないか。機械が反応しなければ、通過です。

通ったからといって、荷物の中身が正しいとは限りません。行き先の違う荷物でも、機械は反応しません。中身が壊れていても、金属さえ入っていなければ通ります。

機械は、決められたものだけを探しています。それ以外は見ていません。

私の点検も、これでした。

事実と違う断定が、そのまま公開された

最初に起きたのは、記事の中身の話です。

公開した記事に、技術的な断定が書いてありました。ある操作をすると、それまでの評価がすべて失われる、という趣旨のものです。

実際には、適切な設定をすれば引き継げます。書いてあることは事実と違いました。

このとき、点検は全部通っています。文字数は範囲内、見た目に崩れなし、使ってはいけない記号もなし。日本語としても自然に読めます。

書かれている内容が事実かどうかを確かめる工程が、当時はありませんでした。

金属探知機は反応しませんでした。中身が間違っているかどうかは、探知機の仕事ではないからです。

「必ず」と書いて公開した

2つ目は、その対策を入れたあとに起きました。

断定を洗う仕組みを作りました。公開する前に、言い切りの表現を一覧にして、1件ずつ判定します。公式の情報で確かめられるか、自分の環境で起きたことか、広く知られている事実か、そのどれでもないか。

その仕組みを通った記事に、こう書いてありました。「必ずどこかが残ります」。

4回の経験から一般化した文です。私の環境で4回起きたことは、他の人の環境でも必ず起きるという意味ではありません。

見つかったのは、公開したあとでした。当時、断定を洗うのは公開したあとの工程だったのです。

いまは、公開する前に洗っています。判定に迷うものが1つでもあれば、公開しません。

行数は合っているのに、文が消えていた

3つ目は、記事ではなく報告のほうです。

作業の報告を書き換えようとして、表の形を直す作業をしました。そのとき、命令の書き方が悪くて、4つの文が消えました。

厄介なのは、確認が通ったことです。

書き換えたあと、行数と文字数を数えていました。どちらも見込みどおりでした。数字の上では、正しく直ったように見えます。

消えていたのは、行そのものではなく、行の中の文でした。行数は変わらず、文字数の変化も誤差の範囲でした。

数える対象が違っていた、ということです。荷物の重さを量って、中身が入れ替わっていることに気づかないのと同じです。

いまは、書き換えたあとに、残っているはずの中身を数えています。行数ではなく、その文があるかどうかを直接見る。

3つとも、探していないものが通った

共通しているのは、点検が間違っていなかったことです。

文字数の点検は、文字数を正しく数えました。見た目の点検は、見た目を正しく見ました。行数の点検は、行数を正しく数えました。

どれも、自分の仕事はしています。

問題は、誰も見ていない領域があったことです。書かれていることが事実かどうか。一般化しすぎていないか。行の中の文が残っているか。

点検を増やしても、この形の誤りは減りません。増やせるのは、探すものが決まっているものだけだからです。

通ったことを、正しいことの証明にしない

いま、点検を全部通ったという報告を受けたとき、それだけでは公開しません。

確かめるのは、何を探したかです。

文字数を数えた、では足りません。何を数えて、何を数えていないか。その記事で確かめるべきことのうち、道具が見ていない部分はどこか。

そのうえで、道具が見ていない部分は、人が見ます。事実かどうかは、いまのところ人が判断するしかありません。

空港の検査に例えれば、機械を通したあと、行き先の札を自分で見る、ということです。機械は札を見ません。

増やしたのは、点検ではなく順番

3つの件で変えたことは、点検の数ではありませんでした。

事実を確かめる工程は、もともと無かったので作りました。断定を洗う工程は、公開したあとから、公開する前に移しました。中身を数える工程は、行数を数える工程に足しました。

作った、移した、足した。3つとも、点検を厳しくしたのではなく、置く場所を変えています。

公開したあとに気づく仕組みは、気づいた時点で既に公開されています。書き換えたあとに数える対象がずれていれば、数えても分かりません。

やることは同じでも、いつやるか、何を数えるかで、結果が変わりました。

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更新履歴

  • 2026-09-01 公開
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