AIの報告を8回信じて8回とも間違っていた 確かめ方の話

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この記事の要点

  • 同じ形の失敗が、対策を作るたびに別の形で起き続けた
  • 毎回、間違っていたのはAIではなく確かめ方のほうだった
  • 8回目でようやく、道具を2つ持つという形にたどり着いた
何が起きたか
起きた日2026年8月
やらせたこと書類の点検、色の確認、機能の調査、件数の集計
結果いずれも問題なしと報告されたが、確かめ方の側が間違っていた
原因測る道具、測る範囲、探す言葉、測る場面のどれかが毎回ずれていた
対策同じ対象を異なる2つの方法で測り、結果が食い違ったら道具を疑う

数えてみたら、8回ありました。

AIに作業を任せて、その報告を信じて、後から間違いだと分かった回数です。ただし、間違っていたのはAIではありませんでした。8回とも、確かめ方のほうがずれていたのです。

しかも、そのたびに対策を作っています。それでも次は別の形で起きました。

1回目 点検の命令が動いていなかった

書類の中に使ってはいけない記号が無いかを点検させ、0件という報告を受けました。

実際には、点検の命令そのものが動いていませんでした。この環境では対応していない書き方で、実行するとエラーになります。ところが書き方の都合で、エラーが起きても結果が空のまま返ってきました。

空の結果を、そのまま0件として読んでいたわけです。

対策として、0件だったときは同じ範囲で必ず見つかる文字を探し、件数が出ることを示す手順を決めました。探せていたことの裏づけです。

詳しくは AIに点検させたら異常なしと出た 点検自体が動いていなかった話 に書いています。

2回目 試験は通ったが、数が合っていなかった

対策を決めてしばらく回っていましたが、後日、同じ点検が6947件という数字を返しました。記号が1つも入っていないはずの書類です。

命令に別の誤りがありました。複数の記号をまとめて指定する書き方が、文字ではなく内部の符号の単位で動いており、日本語の文章がすべて当たっていたのです。

問題は、この誤った命令が対策の1段階目を通過していたことでした。

記号を並べたファイルで試すと、確かに数が出ます。検出できているように見えます。ただ、そのとき出た数は41字に対して123でした。ちょうど3倍です。

0でない数が出たことだけを見て、数が合っているかを見ていませんでした。

足りなかったのは「当たってはいけないもの」の試験

作り直した試験では、4つのファイルで確かめる形にしました。記号だけを並べたもの、ふつうの日本語の文章、両方が混ざったもの、表の記法を含むもの。

2つ目と4つ目が、以前は無かった試験です。見つけられるかだけを試して、余計なものを拾わないかを試していませんでした。

3回目 探す言葉が違っていた

書類の中に特定の記載があるかを確かめる作業で、想定した言い方で探して0件という結果を得ました。

記載が無かったのではありません。実際の本文が、別の言い方で書かれていたのです。記載が無いと報告する寸前でした。

14通りの言い方で探し直し、そのうえで本文そのものを読み上げて確かめています。

4回目 探す道具が試験に落ちた

控えのファイルが残っていないかを調べる作業で、名前で探す道具を作りました。この道具が、何も見つからないのに0件と出る状態でした。

気づけたのは偶然です。別の方法で探す道具も動かしていて、片方だけが0件になったためです。

名前で探す道具しか作っていなければ、そのまま0件と報告していました。

この経験から、いまは重要な点検を2つの方法で行い、結果を突き合わせています。片方だけが0件になったら、道具を疑います。

5回目 対策はしたが、目的は果たせていなかった

サイトの構成の情報が外から分かる状態を直すため、該当するファイルを1つ消しました。削除は成功しています。

ところが、別の経路から同じ情報が出ていました。塞いだのは1つだけで、目的は果たせていなかったのです。

このときは6通りの見方で調べ直し、9か所から出ていることが分かりました。最初の見方では1件しか見つかっていません。

気づけたのは「あるはずの記述はあるのに、探している値は0件」という食い違いが出たためです。結果を疑うのではなく、見方の側を疑いました。

6回目 測る範囲が狭かった

色の決まりを守っているかを、毎回測っていました。0件という報告が続いていました。

測っていたのは記事の中身だけでした。サイト名や上の帯は範囲の外だったのです。決まりの外の色が11種類あることに、記事を11本公開するまで気づきませんでした。

同じ形の見落としを、後日また見つけています。本名がテーマのファイルの中に書かれており、外から誰でも読める状態でした。本名の確認は画面に出る文字だけを見ており、ファイルそのものは一度も見ていませんでした。

0件という報告を何度も出していましたが、測る範囲の外にありました。

7回目 表示される大きさを確かめていなかった

記事の一覧に出す画像を作りました。文字だけの図で、大きさは横1200と決めています。

1枚作って実際の画面を見たところ、幅375の画面では元の11パーセントまで縮み、文字がまったく読めませんでした。

作る大きさは決めましたが、表示される大きさを確かめていませんでした。設計そのものが成り立っていなかったわけです。

8回目 数えずに数字を書いた

記録の件数を、書類に34件と書きました。実際は32件です。

数えずに、記憶で書きました。しかもその数字は、判断の材料として使われるものでした。

指摘されなければ、そのまま通っていました。

8回に共通していたこと

並べてみると、間違っていた場所は毎回違います。

  • 測る道具そのものが壊れていた
  • 道具は動いていたが、数が合っていなかった
  • 探す言葉が実際と違っていた
  • 測る範囲が狭かった
  • 塞いだ経路が1つだけだった
  • 作ったものは見たが、表示されたものを見ていなかった
  • 測らずに書いた

共通しているのは、AIの側に落ちがあったわけではないことです。指示されたとおりに実行し、結果を正直に報告していました。間違っていたのは、確かめ方を設計した側です。

そして、もう1つ共通点があります。対策を作るたびに、次は別の形で起きました。1回目の対策は2回目を防げませんでしたし、2回目の対策は3回目を防げませんでした。

いまやっていること

8回を経て、いま決めているのは次の形です。

同じ対象を2つの方法で測る

これがいちばん効いています。4回目に気づけたのは、たまたま道具が2つあったからでした。

異なる方法で測って、結果が食い違ったら道具を疑う。1つしか無ければ、その道具が壊れていても気づけません。

0件を報告するときに、範囲を書く

何を見たかだけでなく、何を見ていないかを書きます。

調べた範囲、意図的に外した範囲、範囲を決めた理由。範囲の外にあるものは、どれだけ丁寧に調べても見つかりません。

当たってはいけないものを試験に入れる

見つけられるかだけでなく、余計なものを拾わないかも試します。

2回目の誤りは、この試験が無かったために通過しました。

書いたものではなく、出てきたものを測る

指定どおりに書いたのに、実際の画面では違うものが表示されていたことがあります。書いた内容を読んで確かめても、この食い違いは見つかりません。

「規程どおりに書きました」は、確認の証拠になりません。

それでも、9回目は起きると思っています

正直に書くと、この4つを決めた後にも、また別の形で起きました。

目で見て同じに見える色が、測ると決まりの外の色だったという件です。薄い灰色の帯で、画面を見ているだけでは気づけませんでした。

対策を4つ持っていても、まだ足りません。次に何が起きるかは、起きてみないと分かりません。

ただ、8回を経て変わったこともあります。0件という報告を見たときに、まず疑うようになりました。

無いから0件なのか、探せていないから0件なのか。この2つは、報告の上ではまったく同じ形をしています。

存在しないという結論そのものを疑った話は、AIが機能は存在しないと答えた 実際には存在していた にも書いています。

AIに任せるときに、確かめる仕組みを持っているか

この8回で分かったのは、次のことです。

AIに任せて困るのは、AIが間違えることではありませんでした。AIは指示どおりに実行し、正直に報告していました。

困ったのは、その報告が正しいかどうかを確かめる仕組みを、こちらが持っていなかったことです。

作業を任せるとき、多くの人は成果物のほうを見ます。正しく動いたか、指示どおりにできたか。確認の手段そのものが正しいかは、あまり疑いません。

私は8回それを疑わずに来て、8回とも間違っていました。

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更新履歴

  • 2026-08-25 公開
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